→人口減少や高齢者の単身世帯などが増えている中、空き家の増加は避けて通れない問題です。
国でも、令和5年12月からは「空家等対策の推進に関する特別措置法」の一部改正、令和6年4月から相続登記の義務化など、対策が強化されております。
〇本市における空き家の状況は、平成29年に実施した枚方市空家等実態調査結果では3,721件あったものの、その後令和4年に実施した追跡調査では、その3,721件の55%が解消されているとのこと。また、市への苦情・相談件数は年間を通じて空き家と空き地を合わせ約300件程度あるとのことです。
空き家については、治安や、防災の面でも、個人の問題だけで終わらせられないこともあるため、市としての取組みと対策について質問・要望を行いました。
質疑応答~空き家対策について~
【門川質問①】
少子高齢化の影響による人口減少が全国的に進む中、さまざまなメディアで空き家の問題について特集されているのを目にいたします。
本市におきましては、いまだ世帯数の増加はしているものの、平成21年をピークに人口の減少傾向が続いており、いずれは世帯数も減少していくと予想されます。
住宅需要が下がってくると、どこかで、住宅あまりという状況に直面する可能性もあります。
とくに、管理の行き届いていない古い木造住宅などはそのまま長期的な空き家になってしまう心配があります。
そこで、まず本市の現状について、うかがいます。
空き家は現在どれくらい発生しているのか、また発生した空き家について、どういった状況にあるのか、うかがいます。
【答弁①】
本市における空き家の状況は、平成29年に実施した実態調査では3,721件あったものの、その後令和4年に実施した追跡調査では、その3,721件の55%が解消されております。
空き家は日々、何らかの原因で発生し増えたり、また解体や売買により減ることもあり、常にその数は変動しております。
なお、本市に苦情や相談の寄せられた空き家は記録されており、その件数は年間を通じて空き家と空き地を合わせ約300件程度となっております。
【門川質問②】
本市の現在の状況について、理解いたしました。
私の方でも、平成29年におこなわれた、枚方市空家等実態調査結果を確認いたしましたが、かなり詳細に空き家について調査がなされており、またその後の追跡調査においてはその半数以上が解消していたとのことです。
以前から私のところにも空き家についての市民相談があります。
相談のあった物件は、どの物件も一目で長期的に解消される目処がないと理解できる空き家でした。
ひとくくりに空き家と言っても、単にいま住人がいないというだけの物件と、近隣住民から不安に思われる空き家とではまったく別物と思えます。
そういう意味では、市に相談のある年間300件程度という数字が非常に重要とも思えるのですが、そういった長期にわたる空き家となってしまうケースについてはどういった原因から長期的な空き家が発生すると考えられるのか、
また、そういった空き家の発生は、周辺にお住まいの方々にどのような影響を与えるのか、
そして、市民から苦情・相談のあった空き家に対して、本市ではどのような対応をすることが可能なのか、うかがいます。
【答弁②】
空き家は、相続に起因して発生していることが多く、その中でも管理意識の希薄な空き家が草木の繁茂や越境、建物の劣化などによって管理不良な空き家となり、近隣にお住いの方から苦情や相談となって市に寄せられております。
なお、そのような空き家につきましては、まず所有者調査に始まり、適正管理を促す指導文書を送付するなどの対応を粘り強く繰り返し行っております。
【門川質問③】
苦情や相談のある空き家が周辺に与える問題について、また本市の対応についてご説明をいただき、一定、理解をすることができました。
空き家対策については、適正管理の指導のほか、管理不良な空き家の発生を抑制する取り組みも重要と思われます。
また、周辺に悪影響や不安を与えることから、所有者個人だけでなく地域の問題としても考える必要があるかと思います。
そこで市として、今後、管理不良な空き家が増加しないよう取り組まれていること、また地域の課題として空き家の解消に向けて取り組まれていることなどについて、何かされていることがあるのか、うかがいます。
【答弁③】
空き家対策については、発生抑制に向け、空き家セミナーや地域への出前講座の開催、また固定資産税の納税通知書に啓発チラシを同封するなど、管理意識の向上に繋がるよう継続した取り組みを行っております。
また、令和4年度からは、地域の課題解消に即した取り組みとして、地域コミュニティや自治会などに出向き、空き家の実態調査や所有者調査を行い、加えて民間不動産事業者や枚方信用金庫と連携した相談対応や補助制度の周知を行うなど、空き家の有効活用に繋がるよう地域に密着した取り組みを行っております。
【門川要望】
周知や啓発の取り組みをされているということで、私も数年前に本市の空き家対策について、固定資産税の通知書に同封されたチラシを読みました。
本市において、人口減少や高齢者の単身世帯などが増えている中、空き家の増加というリスクは避けて通れない現実であり、大変に解決の難しい社会問題であると考えますが、そのような厳しい情勢の中、空き家対策について様々な取り組みを進め、啓発をしていくことは重要と考えます。
また、今後も全国的に増え続けることが予見できる空き家に対し、令和6年4月から相続登記の義務化、本年の12月からは「空家等対策の推進に関する特別措置法」の一部改正など、国も対策について模索をしている状況と思われます。
本市においてもそれら動向をしっかりと注視しながら、現在の取り組みをさらに充実させ、空き家政策の推進をいただき、市内の空き家について対策の強化をしていただくよう要望いたします。