6月25日(火)
6月議会、一般質問に登壇いたしました。
今回は、4項目を質問に取り上げました。
1、ひらかた万博について | ||
2、枚方市駅周辺再整備について | ||
3、ふるさと納税について | ||
4、高齢者の外出誘導施策について |
1、ひらかた万博について
「ひらかた万博」は、大阪・関西万博を契機とした枚方市独自の取組として進めているものですが、万博開催まで300日を切った現在、現時点での進捗及び、今後どのように進めていくのかについて質問しました。
枚方市では、2025年の大阪・関西万博の開催を契機に、市民、市民団体、企業、大学等、多様な主体とのパートナーシップでまちの魅力向上につながるイベント・事業等の実施や、公民、民民共創による新たなビジネス創出等で地域経済の活性化めざす市独自の取り組み「ひらかた万博」を令和4年度からスタートしています。
枚方市HPより
枚方市HPより
ひらかた万博の取り組みは?
万博関係でいうと、大阪府下での取り組みの中で枚方市はかなり早い段階で「ひらかた万博」を発信し、計画段階では他市の取り組みと比べても多く情報発信をしていましたが、実際の進捗については、正直見えにくい状況と感じます。
質疑の中で、『淀川の水辺を地域資源とした「よどがわアウトドアくらわんか」などひらかた万博パビリオン事業や、東部地域の資源を活用した観光コンテンツの創出を進めているところ』とのことでしたが、
・東部地域の活性化
・枚方宿地域の賑わい
などはひらかた万博と関係なく、もともと枚方市にある取り組みで、そもそも大阪・関西万博とどういった関係があるのかわかりません。ひらかた万博は、大阪・関西万博を契機とした取り組みとのことですが、
・大阪・関西万博との連携はどうなってるのか。
・万博という機会をどういかしていくのかについて、更に質問しました。
まず、大阪・関西万博への出展予定
▶首長連合催事として宿場町をテーマにした和泉市・箱根町・三島市とのグループ出展及び自治体参加催事いわゆる大阪ウィークへの健康医療など各種ブース出展
の準備を進めていること。
→これらは枚方市外の方へ向けて枚方市をPRできる機会=本市への誘客を図り、本市へ訪れていただいた方が楽しめるように、ひらかた万博の取り組みも加速させていくとの答弁でした。
枚方市民に向けてもひらかた万博の取組みを通じて枚方の魅力発信が必要では?
私は、ひらかた万博=万博の機運醸成との認識でしたが、万博に興味を持って大阪に来た人などに向けて、枚方市を知ってもらうための取り組みとのことで、とするとメインのターゲットは枚方市民以外ということなるのかなと思います。
ただ、枚方じゃないところで、「ひらかた万博」というのを見て、枚方市の集客につながるというストーリーはちょっとハードル高いかなという気がします。
少なくとも枚方市内では、万博と絡めたかたちで枚方の取り組みの紹介とか、万博の情報を取り入れていった方が枚方市内の方にも枚方の魅力について気づいてもらえるのではないでしょうか。
大阪・関西万博の6か月前となる10月には、「ひらかた万博プロモーションイベント」の実施予定とのことですので、枚方市外から来た方へのPRももちろん大切ですが、枚方市内をまず盛り上げる=万博の機運醸成の視点も入れて取り組んでいただきたいことを要望しました。
2、枚方市駅周辺再整備について
枚方市駅周辺再整備については、これまでも全員協議会、また、一般質問でも何度も取り上げてきております。
今回は、③街区がいよいよ開業というところで、
・人口減少時代において、国の取り組みとも連携したまちづくりについての質問と、
・より具体的なまちのビジョン、ストーリーを発信し、③街区稼働後の賑わいづくりについて、関係する民間企業・団体などと連携し、社会実験や情報交換など、公民連携による取り組みを盛り上げていただきたい
との要望を行いました。
枚方市は20代30代の人口比率が少ない?
③街区のまちづくりを主導する枚方市駅周辺地区市街地再開発組合に参画している京阪ホールディングスの「えきから始まるまちづくり・枚方市駅周辺再開発」としてHPでこれまでの取り組みについてや、再開発の経緯などを特集されており、そのなかで、
「人口減少が進む中、若年層が近隣他市に流れ、若年層比率が下がっていることが本市の課題」と分析。
「若い世代の流入を目指す必要がある」とし、
③街区には分譲ではなく、あえて賃貸マンションというチャレンジをされたと記載がありました。
また、2021年12月8日に行われた枚方HUB協議会における「第1回シンポジウム」においては、
「本市が他の地域に比べて20代30代の人口比率が少なく、若いひとが集まる場所が少ない。人口が少なくなっていく今、たくさんの人にきてもらうことよりも、長い時間を過ごしてもらうことに焦点をあてたまちづくりが大切。」
と発言がありました。
また、「市内でさまざまな活動をされている人々を巻き込んだ、市民参加型のまちづくりが重要」という見解も。
上記は、民間の視点ですが、こういった方向性については国土交通省が推進している「居心地が良く歩きたくなる」まちなかづくりの取り組みとも合致し、枚方市も『ウォーカブル推進都市』としてそれに賛同しており、国の取り組みとも連携して、枚方市駅周辺再整備基本計画の策定を進めてきています。
枚方市HPより
報道発表資料:あなたのまちを、居心地が良く歩きたくなるまちなかへ!<br>~まちの修復・改変を目指し、160都市と共に、新たな都市再生プログラムを推進~ – 国土交通省 (mlit.go.jp)
国土交通省HPより
駅前整備により回遊性を高めるまちづくり
今回の整備では枚方市北口に観光案内所・駅前広場が新設され、情報発信の強化や駅の一体化により更なる賑わいの創出を期待できます。
今回の役所の答弁でも、民間敷地内での歩行者動線の確保により、回遊動線を形成するとありました。
また今後、③街区の各施設の整備が完了した後も、北口駅前広場に隣接する広場での賑わい創出や、ステーションヒル枚方管理組合と連携し、天野川沿いの植栽の維持管理等を通じた良好な景観の維持など、引き続き公民連携による取組みを推進していくとのことです。
現在駅前再開発では③街区は進んでいますが、④⑤街区は検討段階
しかしながら、④⑤街区の整備を待つのではなく、まちづくりはできるところから取り組みを進めていくべきと考えます。回遊性を高めるため、天の川の周辺エリアについても、散歩したいと思える空間とするためにはなんらかの整備が必要と感じますが、いよいよオープンする③街区の賑わいを宮之阪エリアまで広げることができれば、ウォーカブルなまちとしての賑わいの創出ができるのではないでしょうか。
市駅周辺再整備については、これまでも全員協議会などを重ね、議論を行ってきましたが、建物や道路などハード面についての協議も重要ですが、むしろソフトの部分、市民参加型のまちづくり、市駅周辺で、本市の魅力を知ってもらう為の工夫などその仕組み作りこそが、他市のまちづくりとの差別化になる重要な部分と考えます。
まずは、より具体的なまちづくりのビジョン・ストーリーを明確にして発信し、官民連携して人口減少時代においても持続可能な発展ができるまちづくりに取り組むよう市にも要望し、また、私も引き続き取り組んでいきたいと思います。
3、ふるさと納税について
2008年から開始されたふるさと納税制度ですが、その制度については、
・返礼品競争の激化
・本来の地域を応援するという趣旨が希薄化している
・高所得者ほど返礼品を受けとれる
ということなど、公平性の観点でも問題点が指摘されています。
しかし、ポータルサイトなどの登場もあり、当初72億円ほどであった寄附額は令和4年度には総額9,654億円に膨れ上がり、市場規模約2.6兆円という試算もあることから、今後も利用額拡大が予想されます。
財源確保の観点からも地方行政にとっては無視できないものであり、制度への対策は大変重要と考えます。
枚方市におけるふるさと納税の現状
・ふるさと納税所管部署:広報プロモーション課。
個人のふるさと納税に対する取り組みは令和3年度から、また本年度から企業版ふるさと納税についても広報プロモーション課が担当。
この制度についてはこの間さまざま状況が変化をしてきており、ある種専門的な対応が必要と考えますので、担当部署については腰を据えてしっかりやっていただきたいと要望。
・個人のふるさと納税寄付額(令和5年度):約2億円(令和5年度の個人版ふるさと納税のポータルサイトによる本市への寄附額及び交付税による補填後の寄附額の実績)
※寄附額と流出額の収支は、令和6年6月1日時点で約2億7,000万円の流出超過。
・個人版ふるさと納税の目標や見通し:今年度は寄附額3億5000万円を目標(新たにPRを専門に行う事業者を導入するとともに、新たな返礼品についても引き続き開拓に努め、他自治体への流出額を縮減できるよう取り組みを進めるとのこと)
枚方市は、ふるさと納税制度で2.7億円損してるということ。
質疑の中では、今年度は流出を縮減するために3.5億円の寄附を目標にしてるということでしたが、2億円が3.5億になるのは、これはすごいことですが、ふるさと納税市場が拡大しており、本市からの流出額も増えますので、流出が増えれば3.5億円の目標を達成できたとしても、今以上のマイナス額になるという可能性もあります。
本市はネーミングライツはじめさまざま財源確保策を講じてますが、ふるさと納税のところがけっこう大きな金額が動くので、そこにどういう対策がとれるのか研究をした上で、長期的な展望について、もう少し煮詰めて欲しいと要望しました。
ちなみ枚方市において令和5年度の寄附額が多い返礼品:
・自宅でできる腸内環境の検査サービス
・乳液、酒類のデコレーションボトル
・ストレッチ用の樹脂性ポール
・オーダーメードスーツ
これら返礼品の寄附額が、ポータルサイトによる寄附額全体の75パーセント以上を占めている状況です。
(本市の返礼品数は令和6年3月時点で265商品とのことで、そのうちのわずか5つの商品が全体の75パーセント以上の金額を集めているということです。)
返礼品開拓において、そういったヒット商品を生み出していくことは大変重要な取り組みです。
しかしながら、運的な要素も大きいので、その内容について一喜一憂するのではなく、ふるさと納税の本来の趣旨に立ち返り、ふるさと納税制度によって本市のファンづくりが進んでいるのかどうかについても同時に考えてほしいと思います。
ふるさと納税の理念
ふるさと納税は本来、生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域に、これから応援したい地域へも力になれる制度です。
総務省HPより
実際に他市の事例では、市民団体さんなどを募ってクラウドファンディングのようなやりかたをしている市もありますし、市の個別の事業に対して寄附を募ってるケースもあります。
埼玉県北本市
集めた寄附金がどのような事業に使われたのか、寄附を充当したことにより実現できたことなどについてもPRしていただき、寄附をした人が引き続き本市を応援していただけるような取り組みもあわせて必要です。
そういった工夫はヒット商品を生み出すことと比べると、数字としては地味なものかもしれませんが、長期的に考えると、本市のファンづくりと、その結果としてのまちの魅力向上こそがふるさと納税制度に対する取り組みの芯の部分と考えます。
危機感を持って、民間活用もふくめ、積極的なアクションを要望しました。
4、高齢者の外出誘導施策について
枚方市には地域包括ケアシステムの中心的な役割を担う「地域包括支援センター」が13箇所あります。
それぞれの地域課題について行政と共有しており、その中には身体機能の低下等による買い物等の「外出」が困難になった高齢者に対して「外出」誘導の取り組みが必要ではないかと問題提起がされていると聞きました。
高齢者が住み慣れた地域で、可能な限り自立した日常生活を継続するためには、生活の中に「活動」・「参加」の機会を増やし、心身機能の維持・向上を図ることが重要であり、「外出」は活動量の増加に加え、社会参加につながる重要な取り組みですので、「外出」を誘導するための取り組みについてはいろいろと工夫をしていただき、推進していただきたいと思います。
高齢者の外出誘導施策『いす☆プロジェクト』
「いす☆プロジェクト」:身体機能の低下等により、買い物などの「外出」が困難になった高齢者へを「外出」へと誘導するため、「地域ケア会議」において進められている取り組みとして、主要なスーパー等につながる道路沿いにある「介護事業者」等の協力により、事業所の軒先等で気軽に休憩できる「善意の椅子」を設置するもの。
この「いす☆プロジェクト」は、買い物などの「外出」が困難という課題に対し、買い物代行等により、高齢者の代わりに動いて支援するのではなく、長い距離を続けて歩くことが困難となった高齢者であっても、途中で気軽に休憩しながら目的地まで行けることを可能にするとともに、高齢者自らがお店に行って品物を選びたいという思いも尊重でき、健康寿命の延伸に重要な「心身の健康」の充実を目指した取り組みとのこと。
気軽に休憩できる場所をつくるだけでも、外出誘導施策になるというのは、アイデア商品と思いました。
「外出」を誘導するための取り組みについてはいろいろと工夫をしていただき、推進していただきたいと思います。
公民連携で介護予防事業に取り組む
昨年度は、介護予防事業として、スプリングひらかたというものがあり、公民連携の取り組みで、企画内容や発信手法が非常に優れていると感じました。(スプリングひらかたは終了しています)
また、移動販売車の取り組みが進めてられています。
この移動販売車の取り組みは、枚方市とウエルシア薬局株式会社とが令和5年9月に締結した「地域づくりの推進等に関する連携協定」に基づき、実施していただいているものとのこと。
取組内容:
・移動販売車による買い物支援により、各停留所に集まった人と人とのつながりが生まれる「通いの場」となっている
・車両後部には「常設モニター」が設置されており、このモニターを通じて、ウエルシア薬局の薬剤師等による「健康」や「栄養」、また、「美容」に関するオンライン相談ができる
など、高齢者を「外出」へと誘導するための取り組みの一つになっています。
この移動販売車は、月曜から金曜まで、市内29か所を巡回しており、高齢の利用者からは、「食品だけでなく、日用品もあるので選ぶのが楽しく待ち遠しい」という感想をいただくなど、好評とのことです。
今後は、この「常設モニター」を活用し、市のがん検診や歯周病検診等の「検診情報」や、「健康イベント」などの周知を図るとともに、「ひらかた元気くらわんか体操」のDVDを放映する予定としており、身近な通いの場の一つとして、さらなる地域住民の健康増進に努めるとのこと。
当事者だからわかるお声をいただくことで地域課題が解決できる
これらの取り組みは、行政サイドには、民間ならではのアイデアや、市の施策に対して民間の広報力を使うことができる等、大きなメリットがありますし、企業サイドでも地域の課題に対して行政と一緒に取り組んでいるという姿勢を消費者にPRすることが出来ますので、どちらにもメリットのあること。
今回質問するにあたりお声をいただく中で感じたのは、当事者の方のお声が本当に大切なこと。
例えば、買い物については、インターネットでの購入の方が簡単じゃないかとの意見もあるのですが、地域包括で携わっている方に聞くと、実際に品物をみて、選んだり、そういった場でのコミュニケーションがフレイル予防にも良いとおっしゃっていました。
今回の取り組みについては、単なる買い物支援だけにとどまらず、そこからコミュニティー形成にまで発展させていくという新しい取り組みであり、今後の展開に期待をしています。
そして、市民の方からもぜひご意見をいただきたいと思います。
【枚方市議会議員 門川ひろゆき】